*怪盗を追っかける
わたしは怪盗を追っかける側で、洞窟の中を必死に走っていた。明るくなっている出口を出ると、そこは行き止まりで、真下は深い峡谷、水が流れる様子が遠くに見えた。対岸にもやっぱりこちらと同じような洞窟の入り口だか出口だかがあって、自分のいるところからそこまでロープが渡されていて、滑車がついていた。アスレチックなんかにあって「ターザンごっこ」ができるアレ。わたしの手が怪盗のマントに届く寸前で怪盗は滑車に飛びついた。わたしもすかさず二個目の滑車に飛びついた。ジャーって音がして滑車が滑って、対岸にたどり着く直前で滑車から手を離して怪盗の足に飛びついた。 「逃がすもんかー!」と叫んで、一緒になって転がって。捕まえたと思ったのもむなしく、わたしが飛びついた靴を脱いで怪盗は逃げ去った。手に残されたのは、ふさ飾りのついた(タッセルって言うの?)茶色い革靴で、逃げられたわたしは「ちっくしょー」と言いながら靴を洞窟の壁に投げつけた。 *お酒に溺れる 真夏の太陽の下、わたしは仰向けで水に浮いていた。眩しいなーと思いつつ目を開けて、横目で見た水の色がはちみつ色だった。はちみつにもいろいろあるけど、色合いが薄くってちょっと黄色が勝ったような傾向の色。あれ、海じゃないの?と思って、手を鼻に近づけてみたらお酒のにおいがした。指先を舐めてみると、ウィスキーで、はちみつをたらしてからお水で割ったような味がした。なんだこれ、見た目も飲めるという状況もゴージャスだなあ・・・と考えた。色の薄い青い空の下に、やっぱり色の薄いはちみつ色の海は美しかった。日焼けしちゃうな・・・髪の毛、傷んじゃうかもなあと思ったけど、でもやっぱりそんなことどうでもいいやと思って、お酒のにおいの中もう一度目を閉じた。
by ckaede
| 2010-03-13 23:23
| 夢
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用もなき文など長く書きさして ふと人こひし 街に出てゆく =石川啄木= 最近寒くなってきました。 風邪には気をつけて下さいね。 リンク・コメント・TBについて ・コメント&TB コメント&TBは大歓迎です。 しかし、記事に関係のないもの、特定の企業や商品などの宣伝目的とわたしが判断するものなどは投稿者に無断で削除させていただくことがあります。ご了承ください。 ・リンク リンクは原則としてフリーですが、リンクする場合ご一報ください。 お友達のブログで文中リンクして頂く場合はご報告不要です。 個人的な内容のブログですので、どの様なリンクをされているか知りたいという気持ちからです。 内容によってはリンクをお断りする場合もあります。 カテゴリ
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