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美術館をめぐるのだ / 6日目
ナッシュマルクトの後は、ザッハーでお茶をして、お土産にザッハトルテを買いました。さて、次の目標は美術館巡りです。

まず最初は「アルベルティーナ」。
王宮の端っこにある美術館です。元々はハプスブルグ家の方がすんでいたお屋敷らしくて、とてもきれいな建物でした。この日はちょうど特別展で「印象派展」というのをやっていました。
170点ほどでている特別展ということで、もうこれだけでお腹いっぱいになっちゃいそうでした。
もともとアルベルティーナのコレクション(だったはず)であるドガの踊り子をはじめ、セザンヌとかゴッホとかゴーギャンとかモネとかマネとかルノワールとかスーラとか。とにかくすごかった。
色彩について取り上げられていて、絵の具の色(たとえば白の原料が亜鉛だったり鉛だったり)と使用されていた年代を表にしてまとめられていたりしました。あと、ドイツ語がよくわかんないので不確かなのですが、画家が絵を描くときに使う(んだと思われる)木の枠がありました。遠近法をつかって絵を描くため・・・だと思うんだけどなあ。言葉の壁が高かった。うーむ。日本の浮世絵が印象派に与えた影響についても特集されていて、日本の絵も数点ありました。ちょっと嬉しかったです。子供達が校外学習(っていうのかな?)で見に来ていて、すごくうらやましかったです。贅沢だなー。
常設展もじっくりみました。有名なのはデューラーの「野兎」だと思うのですが、あっさりと手に取れそうなところにあって(一応ガラスには入っているが)驚きました。近くで見るとやっぱり繊細でした。他にもスケッチ風の作品(正式な絵画用語を知らなくてすみません)がいくつもあって、子供の顔の輪郭とか柔らかいラインできれいでした。

アルベルティーナを出て、シェーンブルン宮殿に行こうかと思っていたのですが、トラムの駅を通りかかったときにベルヴェデーレに向かうトラムが来たため、あっさり予定変更してベルヴェデーレに向かいました。こういうラッキーは掴まなくっちゃ損!待ち時間はもったいないのだ。

ベルヴェデーレにはオーストリア・ギャラリーがあります。ここはオーストリアの画家であるクリムトとシーレのコレクションで知られています。有名なのはやっぱりクリムトの「接吻」でしょう。この作品、わたしにはぴんとこなかったです。でもすごくメッセージ性というか力のある作品だということはわかりました。
他のクリムトの作品として「ユディトⅠ」があります。わたしはこっちの方が強い力があるなと思いました。絵の中の暗号みたいなものを解いたとしたら情報量としては「接吻」の方が多いんだけど、でも「ユディト」の方が情動を動かす力が強いような気がする。それはそれとして、この絵を見るといつも思うのですが、女優の高畑さんに似てません?このユディト。クリムトの作品で、女性の肖像画が数点あったんだけど、この人の描く女性の絵は、なんだかわたしを不安にさせるなあと感じました。「ベートーベン・フリーズ」の印象が強かったのかもしれないけれど。どれも美しいんだけど、太陽の光をそのまま浴びてないような感じと言うか、緑濃い木の下で差す光を浴びている感じと言うのかなあ。そこは明るいんだけれど、でもなんかちょっと悪いことができそうな影とか隙間もあると感じました。
そしてシーレの作品群。なんというか、この人の絵は見ていて痛々しいなと思います。描いているのは人物が多いのですが、人を描いている線のエッジの確かさ(と表現していいのかな?)がすごかった。装飾されてないのに、明確な、はっきりした、「形」になる線です。見ていて全く幸せな気持ちにはならないのですが、なんだか目が離せない。緑の上にしわくちゃの白いシーツが敷かれていて、服を着用していない男女が抱き合っている絵があったのですが、特にその絵から目が離せませんでした。なんというか、どこまでも幸福感のない抱擁でした。
クリムトとシーレを続けてみると、なんとなく自分の中の幸せのろうそくの炎が吹き消されたような、そんな疲労感を感じて、そのあとはよろよろと階段を登って行きました。そしたらなんか世界史の教科書で見た作品が。ダヴィットの絵で、アルプス越えをするナポレオン。ここでお目にかかると思ってなかったので、ぽかんとしました。もうちょっと万全の心構えのときに見たかった。
あと心に残ったのは、商家の家族の肖像で、若い夫婦の後ろに赤ちゃんがいる絵が、とても優しい絵で好きでした。そして、「戦死した(もしくは刑死した)父王の遺骸をプラハで葬れるように皇帝の馬車の前に懇願に来た王子」の絵が気になったのですが・・・結局帰って来て調べてもよくわかりませんでした。どの王様の話だったのかなあ。

ベルヴェデーレを出て、一息つこうと駅に向かいました。一度ホテルに戻って、荷物を置いて、次こそシェーンブルン宮殿へ!
by ckaede | 2009-09-21 10:26 | 旅(ウィーン/プラハ編)
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