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ヴィシェフラドの夕日 / 4日目
ドヴォルザーク記念館に行った後、ホテルに帰りました。石畳を歩いて足がむくんでいたので、ちょっとマッサージ・・・と思ってベッドに横になったら、一時間くらい眠ってしまいました。疲れてたんだなと思い、そういう時はやっぱり休むに限るので、もったいないような気がしたけど仕方ない。

でもこのままプラハ観光を終えるには早い時間で、どこかに出かけようと思ってました。プラハにもモーツァルトゆかりの場所があり、そういうところに行こうか、あてもなく市街散策に行こうかとも思っていたのですが、実際にプラハに来てみると他にも行きたい場所ができたのでした。
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朝起きて、朝食へ向かう途中でホテルから見えた風景。朝もやに浮かび上がる二つの塔を持った建物が印象的で、どうしても行ってみたくなったのでした。
で、方角が分かるけど何の建物かもわからずには行けないよな・・・と思い、ホテルのフロントにいる女性に聞いてみました。
「わたしの部屋から見える、川の向こうの、南東の方向の、建物はなんですか?」
と言いつつ、その方向を指差す。
「St. Peter and St. Paul cathedral」とにっこり笑われました。
「せんとぴーたーあんどせんとぽーる・・・・(聖ペトロ聖パウロ大聖堂かあ・・・)」
「そうよ、あなたはそこに行きたいの?」
はいと答えて、説明を聞く。
ホテルの近くの停留所からトラムに乗って、降りた後15分程度歩けばつくらしい。
そうとわかれば、早速出動です。

ちょこっと調べてみると、その辺はヴィシェフラドという場所らしいです。スメタナの「我が祖国」の第一章でも触れられているらしいんだけど・・・実は有名な「モルダウ」しか知らなかったのでした。てへ。チェコの建国伝説に関係ある地らしいのです。

ここは、伝説の女性にして予言者とされる「リブシェ」に関わる場所だそうです。チェコの人たちは平和に暮らしていたのですが、争いが起こるようになりました。彼女は、賢明で公正な女性であり、しかも未来を予言する能力を持っていたので、人々は彼女に争いごとの裁定を持ち込むようになったのでした。で、その後のことは諸説があるんだけど、彼女が統治することを不満に思った人がいるとか、人々が王家による統治を望んだとか、とにかく男性の王を望んだ人がいたらしく、予言により彼女は夫となる人物を指定しその夫に統治させようとしたのでした。その男性がプシェミスルさんで、プシェミスル王朝の祖となる人です。彼は農夫でした。そんなリブシェさんご夫妻が住まれたのが、小高い丘にあるヴィシェフラドなのです。「高い城」という意味があるんですって。
そして、彼女はプラハの街を作った人でもあるそうです。彼女は「森の奥で1人の男が家の敷居を作っています。その男とともに大きな城を作りなさい。」と予言を授けました。「敷居」はチェコ語でプラーフといい、これが今のプラハという地名の語源になったそうです。そしてプラハの町はリブシェの予言通り繁栄したんですって。

ここはまた、フス戦争の激戦地でもあったそうです。この戦争で、プシェミスル朝の頃から残されたお城などの文化財は破壊しつくされたそうです。だから今は「城跡」しか残っていないんですって。

で、向かったヴィシェフラド。
今までの観光地らしい雰囲気の場所とは違い、静かで木々も多くて、美しい場所でした。
繁栄や、争いがあって、朽ち果ててしまったけれど、それでも残されたもの達は静かで、穏やかな気持ちになる場所でした。

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リブシェさんご夫妻の像だと思われます。

で、ここにはわたしの見たかった聖ペトロ聖パウロ教会(ホテルの人がおっしゃった大聖堂じゃなくって教会だった。違いはよくわかりません)もありました。
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これも、行くまで知らなかったんだけど、この教会の隣には有名な墓地がありました。
チェコの著名な文化人の皆様が眠る墓地だそうです。
時間は遅かったけど、墓地にお参りはできるようなのでありがたくおまいりさせて頂きました。
お墓の写真をとるのは、なんか違う気がするので写真は撮っていません。
ドヴォルザーク、スメタナ、ムハ(ミュシャ)、カレル・チャペックなどなど。
どなたのものかわかったお墓の前では、ちゃんと拝んできました。

ヴィシェフラドは、とにかく静かで、気持ちのいい場所でした。ちょうど西側にヴルタヴァ川が流れています。西側の城壁に寄りかかって、ゆっくりと川を眺めました。遠くにプラハ城が見えます。宿泊しているホテルのそばにある煙突も。
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ちょうどもうすぐ日が落ちる時間。ここで夕日を見送って、それでプラハとのお別れにしようと決めました。夕日は毎日沈んでいるはずなのですが、ゆっくりお見送りするのはなかなか日常生活ではできないものです。旅に出た時の醍醐味でもあります。
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夕日が沈んでいくのを見つめているのはとても贅沢な時間でした。
by ckaede | 2009-09-19 18:13 | 旅(ウィーン/プラハ編)
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